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2019年11月29日金曜日

理学療法士2名が第9回日本リハビリテーション栄養学会学術集会にて発表してきました.

理学療法士の山本実穂さん,桝矢璃央さんが11月23日に福岡で開催された第9回日本リハビリテーション栄養学会学術集会にて発表してきました.
理学療法部門の本年の学会発表はこの学会が最後となります.今年は計17演題(国際学会2演題)の発表数でした.ご指導いただいた多くの先生方,誠にありがとうございました.来年もどうぞよろしくお願いしたします.




本実穂 他:運動療法と活動量管理・栄養療法の併用が著効した糖尿病合併脳卒中後カヘキシアの一例.


糖尿病合併脳梗塞症例で,血糖降下剤を3剤服用していたが入院時のHbA1c7.2%であった.20日間全身状態が安定せず,体重は入院時から約10kg減少しカヘキシアの状態であった.栄養療法として摂取カロリーは2400kcal,摂取たんぱく質はBCAAを含めて2.2g/kg/日まで増加させた.また訓練時間外の起立・歩行練習を指導し活動量の管理に努めた.6カ月後,体重は6kg増加,HbA1c6.0%まで改善し,血糖降下剤も1剤に減薬,屋内生活が自立に至り自宅退院となった.運動療法と活動量の管理,栄養療法の併用は,糖尿病合併脳卒中後カヘキシア症例の身体機能・下肢筋量・血糖コントロールの改善に有効と考えられた.



桝矢璃央 他:病前からフレイル・サルコペニアを呈し糖尿病を合併した脳梗塞患者における運動療法と栄養療法の介入経過.

糖尿病を合併し脳梗塞発症前よりフレイル・サルコペニアを呈した症例に対して,運動療法と栄養療法の介入経過について報告した.運動療法では筋力トレーニングを中心に介入し,栄養療法ではBCAAを導入,さらにカロリーやタンパク質の摂取を増加した.経過中にHbA1cの上昇を認め血糖管理不良となった.最終評価ではADLの向上は認めたものの,歩行能力や下肢筋力の向上は認めなかった. 脳梗塞発症前よりフレイル・サルコペニアを呈し,糖尿病を合併した場合,運動療法と栄養療法の効果が乏しい可能性があり,要因と適切な介入方法を検証する必要がある.

2019年11月14日木曜日

理学療法士2名が第6回日本呼吸理学療法学会学術大会にて発表してきました.

理学療法士の桝矢璃央さん,古賀千尋さんが11月10日に名古屋で開催された第6回日本呼吸理学療法学会学術大会にて発表してきました.

桝矢璃央 他:呼吸介助法は運動療法時のコンディショニングとして有効か?-呼吸介助法がChest wall体積及び胸腔内圧に与える即時効果について-.

COPD患者の肺過膨張及び呼吸困難感の即時効果を期待して,運動療法時に呼吸介助法を実施することが推奨されているが,その換気力学的な効果機序については明らかにされていない.本研究の目的は健常人に対する呼吸介助法がChest wall体積及び胸腔内圧に与える即時効果を検討した.呼吸介助実施後のChest wall体積は上部胸郭・下部胸郭を中心に減少した.胸腔内圧は呼吸介助前後で変化を認めなかった.呼吸介助法はCOPD患者の胸郭柔軟性を増加し,肺過膨張を軽減できる可能性が示唆された.





古賀千尋 他:上肢で支持した体幹前傾姿勢における呼吸仕事量の変化.

慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の呼吸困難感軽減のための姿勢として体幹前傾姿勢は臨床現場で用いられている.本研究の目的は上肢で支持した体幹前傾姿勢における呼吸仕事量の変化を直立座位と比較することである.結果,直立座位と比較し各体幹前傾姿勢は肺気量位と呼気終末経肺圧を有意に上昇させ,吸気粘性仕事量を有意に低下させた.その要因としては肺気量上昇に伴う気道抵抗の低下が考えられた.



2019年11月2日土曜日

理学療法士の三枝信吾さんの論文が国際誌「The journal of Physical Therapy Science」に掲載されました.

理学療法士の三枝信吾さんの英語論文「Relationship between depression and movement quality in normal young adults」が国際誌The journal of Physical Therapy Science (Volume 31 Issue 10)に掲載されました.大学時の卒業研究を形にしたものです.次は当院のデータで学会発表,論文執筆ができるよう努めていきます.



Mitsue S, Yamamoto T. Relationship between depression and movement quality in normal young adults. J Phys Ther Sci. 2019 Oct;3

成人健常学生における抑うつ状態と動きの質との関連を検討した.抑うつ状態の評価にはSDSSelf-rating Depression Scale)を用い,動きの質の評価にはBARS-MQEBody Awareness Rating Scale-Movement Quality and Experience)を用いた.抑うつ状態を呈している対象者は,動きの質が低下していることが示唆された.観察可能な動きの質の評価によって抑うつ状態の早期発見および治療介入につながる可能性がある.


https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpts/31/10/31_jpts-2019-127/_article

理学療法士の三枝信吾さんの症例報告が理学療法学に掲載されました.

 三枝信吾 さんの症例報告「 二次性サルコペニアを合併したTrousseau 症候群に対して栄養療法と運動療法の併用により自宅復帰に至った一例」が日本理学療法士協会の雑誌「理学療法学」に掲載されました.日々の臨床を 丁寧にまとめた内容になっております.是非ご一読ください. 二次性...