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2019年10月2日水曜日

理学療法士4名が第17回神経理学療法学会学術大会にて発表してきました.


理学療法士の山崎允さん,野口まどかさん,山本実穂さん,久保宏紀さんが92829日に横浜で開催された第17回神経理学療法学会学術大会で発表してきました. 



山崎允 他:回復期後期の自主歩行訓練時にリズム聴覚刺激を併用して歩行機能改善を図った被殻出血後右麻痺の一症例.

 回復期後期の被殻出血後右片麻痺症例に対して理学療法時間以外の自主歩行訓練時にリズム聴覚刺激(RAS)を併用した.介入後,FMA下肢項目・FBS.は変化しなかったが,10m歩行快適速度・TUG6MWDG.A.I.T.・歩行時立脚相の左右非対称性は改善した.自主歩行訓練時にRASを併用することは,理学療法時に行うよりも介入効率を高め,単純に歩数を増やすよりも歩行の対称性を含めた歩行機能の改善を促進する可能性が示唆された.



野口まどか 他:急性期脳卒中患者における病前フレイルが退院時機能予後に与える影響.

 急性期脳卒中患者の病前フレイルの有病率と,病前フレイルの有無が脳卒中発症後急性期病院退院時の機能予後に与える影響を検討した.解析対象は168例であり,質問紙を用いてフレイル・プレフレイル・ロバストの3群に分類した.病前フレイルの有病率は約12%であった.フレイル群は高齢でNIHSSが高値であり,在院日数が有意に長かった.退院時予後不良(mRS3)にはNIHSSのみ関連し,病前フレイルの有無は退院時機能予後と関連していなかった.



山本実穂 他:脳卒中後カヘキシアに対して他職種協働で栄養・運動・ADLの改善を図った一症例.

 脳卒中後カヘキシア症例に対して,他職種協働で栄養療法,ADL練習を行った.他職種間で密に連携をとり,日々の全身状態に合わせてカロリー摂取量,たんぱく質摂取量を増加することで体重の増加,栄養状態の改善を認め,身体機能も向上した.カヘキシアは身体機能低下の要因になり予後不良であることが報告されているが,脳卒中後カヘキシアにおいても,他職種と連携しながら栄養療法及びADL練習を実施することで身体機能の改善が図れると考えられた.



久保宏紀 他:回復期脳卒中患者の歩行自立度と6分間歩行距離の関連.

 回復期脳卒中患者の歩行自立度に応じた6分間歩行距離の参考値,歩行自立判定のカットオフ値を算出した.歩行自立度はFunctional Ambulation CategoryFAC)を用い,FAC5:歩行自立,FAC4:平地歩行自立,FAC3:歩行監視,FAC2:歩行介助に分類し,各群の6分間歩行距離の参考値はFAC5436mFAC4352mFAC3232mFAC2136mであった.続いてFAC54を歩行自立,FAC3/2を歩行非自立に分類し,歩行自立判定におけるカットオフ値は304mであった.これらの数値は理学療法時の目標設定や歩行自立判定に有用である可能性がある.


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