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2021年8月13日金曜日

第32回兵庫県理学療法学術大会で理学療法士の久保宏紀さんがシンポジスト,清家はるかさんが発表を行いました.

 7月18日に開催された第32回兵庫県理学療法学術大会で,理学療法士の久保宏紀さんがシンポジスト,清家はるかさんが阪神北ブロックの新人発表推薦演題として発表しました.


久保宏紀:回復期・生活期脳卒中におけるリスク管理 ~再発予防に向けた包括的な取り組み~ (シンポジウム名:回復期から生活期における攻めのリスク管理)

脳卒中発症後に生じる脳循環自動調節能の破綻は長くて3ヶ月程度で消失することが示されている.したがって回復期や生活期のリスクは脳循環ではなく,脳卒中に続発して生じるリスクに目を向けておく必要がある.脳卒中の再発やサルコペニアの発生は回復期や生活期のリスクとして挙げられ,これらの予防において身体活動量の維持・向上は取り組むべき課題と考える.脳卒中患者の身体活動量は低く,特に急性期や回復期で低下しているため,理学療法士はこの時期より身体活動量の増加に目を向けておく必要がある.当院の回復期病棟では1ヶ月おきに身体活動量を計測し,患者様へ視覚的にフィードバックを行っている.またリハビリ以外の時間にも身体活動量を促進できるよう取り組んでいる.脳卒中再発予防には1日6025歩と報告されているが,発症2ヶ月時点で1日1632歩の歩数が得られていれば1年後には6000歩に到達するという研究もある.したがって,回復期病棟では1日2000歩程度を目標に開始し,運動機能に応じて増加を図っていってはどうかと考える.


清家はるか 他:歩行時のstiff-knee gaitと内反尖足に対し,ペダリング運動と電気刺激療法を併用し歩容の改善を認めた左被殻出血の一例

 

左被殻出血後に生じたstiff-knee gaitと内反尖足に対して,ペダリング運動と電気刺激療法の介入結果について報告した.初期評価では歩容はT-caneとオルトップAFOで屋内自立,歩行時の遊脚期の膝関節最大屈曲角度は約45度,内反尖足を生じていた.膝関節屈曲角度の向上を目的にペダリング運動,内反尖足の改善を目的に電気刺激療法を実施し,最終評価では歩容は装具なしで屋外自立,歩行時の遊脚期の膝関節最大屈曲角度は約65度まで向上し,内反尖足が改善された.ペダリング運動は遊脚期における膝関節屈曲角度の増加と大腿直筋の過活動の抑制の効果,電気刺激療法は麻痺筋の筋力改善と随意性の向上が示されている.これらの実施によりstiff-knee gaitと内反尖足が改善され,歩行能力の向上に至った可能性がある.

理学療法士の三枝信吾さんの症例報告が理学療法学に掲載されました.

 三枝信吾 さんの症例報告「 二次性サルコペニアを合併したTrousseau 症候群に対して栄養療法と運動療法の併用により自宅復帰に至った一例」が日本理学療法士協会の雑誌「理学療法学」に掲載されました.日々の臨床を 丁寧にまとめた内容になっております.是非ご一読ください. 二次性...