理学療法士の三枝信吾さんが6月10日~13日に開催された第58回日本リハビリテーション医学会学術集会で発表しました.
三枝信吾 他:二次性サルコペニアを呈したTrousseau症候群に対して栄養療法と運動療法の併用により自宅復帰に至った一例.
小脳梗塞を合併した卵巣癌の周術期管理により,二次性サルコペニアを呈したTrousseau症候群症例に対して,運動療法と栄養療法の介入結果について報告した.初期評価は,握力右8.5kg/左11.5kg,快適歩行速度0.73m/秒,SMI4.4 kg/㎡であった.運動療法では低負荷高頻度レジスタンストレーニングを中心とし,栄養療法では通常の摂取カロリーに加えてBCAAを導入した.また,早期より病棟と連携し自主練習を行った.最終評価では,握力右18.9kg/左19.3kg,快適歩行速度1.17m/秒,SMI5.6kg/㎡と改善を認めた.Trousseau症候群は機能予後不良であり,自宅退院となる症例は少ない.このような患者であっても,適切な栄養状態で運動療法を実施することは二次性サルコペニアの改善に有効であると考えられた.