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2020年12月29日火曜日

理学療法士4名が今年はオンライン学会で発表しました.

今年は学会が軒並みオンライン開催となる中,4名の理学療法士が第45回日本脳卒中学会学術集会および第18回日本神経理学療法学会学術大会で発表を行いました.理学療法部門の今年の発表数はこの4演題でした.新型コロナウイルスの蔓延が一日でも早く収束し,普段の日常に戻ることをお祈りいたします.ご指導いただいた多くの先生方,誠にありがとうございました.来年もどうぞよろしくお願いしたします.


【第45回日本脳卒中学会学術集会】

古市あさみ 他:回復期脳卒中患者における歩行自立度と身体活動量の関連.

 回復期脳卒中患者の歩行能力に応じた身体活動量(平均歩数)の参考値を算出し,歩行自立度とPAの関連を調査した.歩行自立度の評価はFunctional Ambulation CategoryFAC)を用い,FAC5:歩行自立,FAC4:平地歩行自立,FAC3:歩行監視,FAC2:歩行軽介助、FAC1:歩行重度介助に分類した.平均歩数の参考値はFAC58049歩,FAC45039歩,FAC32658歩,FAC22147歩,FAC11062歩であった.平均歩数はFAC5FAC41と比較し有意に多く,FAC4FAC31と比較し有意に多かった.これらの数値は理学療法時の目標設定や歩行自立判定に有用である可能性がある.

  

加茂亜里沙 他:急性期脳卒中患者の病前自立度が離床状況と在院日数に与える影響.

 脳卒中発症前の自立度が急性期脳卒中患者の離床状況と在院日数に与える影響を検証した.対象は20194月から9月までに当院に入院,入院時modified Rankin Scale(mRS)≥3であった例.在院日数,病型,併存疾患有無,重症度(NIH Stroke Scale(NIHSS)),離床開始日などを抽出し,発症前自立群 (mRS≤2),非自立群 (mRS≥3)2群に分け,対応の無いt-検定もしくはχ2検定を用いて比較した.また,病前自立度が在院日数に与える影響因子について重回帰分析を行った.発症前から介護を要する急性期脳卒中患者は,神経症状が重症化し,離床は遅延する一方,在院日数に関しては短縮させる影響があることが明らかになった.


【 第18回日本神経理学療法学会学術大会】

久保宏紀 他:回復期脳卒中患者における身体活動量と運動機能との関連.

 回復期脳卒中患者における身体活動量と運動機能の関連を歩行自立群と非自立群で調査した.身体活動量の指標は平均歩数を用い,運動機能は下肢のFugl-Meyer AssessmentFMA),Berg Balance scaleBBS),6分間歩行(6MWT)を用い,歩行自立度はFunctional Ambulation CategoryFAC)にて判定した.すべての対象者の解析では身体活動量は歩行自立度と6MWTが関連した.一方で歩行自立群では6MWTが身体活動量と関連し,歩行非自立群ではBBSが関連し,歩行自立度により身体活動量に関連する因子は異なることが示唆された.


桝矢璃央 他:入院中の亜急性期脳卒中患者における光学式心拍計測装置を用いた身体活動量測定の信頼性.

 脳卒中患者の身体活動量測定に対して光学式心拍計測装置を使用した試みが報告されているが何日間の装着が必要かについては報告されていない.本研究では,入院中の亜急性期脳卒中患者を対象に腕時計型光学式心拍計測装置を用いた身体活動量測定に必要な日数を検討した.測定期間は9時から17時の間で連続3日間行った.理学療法実施中は2日以上の測定で高い信頼性が得られたが,作業療法実施中やリハビリテーション以外の時間では十分な信頼性は得られなかった.理学療法中の身体活動量測定には最低2日間の測定が必要であることが示唆された.

理学療法士の三枝信吾さんの症例報告が理学療法学に掲載されました.

 三枝信吾 さんの症例報告「 二次性サルコペニアを合併したTrousseau 症候群に対して栄養療法と運動療法の併用により自宅復帰に至った一例」が日本理学療法士協会の雑誌「理学療法学」に掲載されました.日々の臨床を 丁寧にまとめた内容になっております.是非ご一読ください. 二次性...